2019年チャレンジ富士五湖 秋 最終話 「教えられたウルトラランナーの矜持」 [チャレンジ富士五湖]
ウルトラマラソンの大会に出るようになって、頭にこびりついて離れない風景があります。
三年前、野辺山ウルトラマラソンでリタイアしてバスで会場へ戻るバスの中から見た風景です。
その時、馬越峠入口でリタイアし、バスは滝見の湯へ戻っていくコースを走っていて、吐き気とか、レースを降りた悔しさに混ざるもう苦しい思いをしなくていいという安堵感、様々な感情が入り乱れる中、窓の外に見えたのは滝見の湯エイドを出て、馬越峠へ向かうランナーの姿でした。
思わず時計を見ました。
もう次の関門は厳しい時刻。
すべて走れれば間に合うでしょうが、ここから先をすべて走れる走力を持つランナーならば今この時間にここにはいないはず。
なんでそんな状況で、前へ進めるのか。
自分にはない強さを持つ、そのランナー達の姿に自分もああありたいと思うようになりました。
なんか、すべてのことに「なんだこの野郎!!」と足掻きまくっていた頃を経て社会人になり、色々あって良く言えば丸くなった、悪く言えば、諦めのいい大人、「まぁ、仕方ないよね」で何事も終わらせるような感じになっている感じ、、、別に仕事に不満も特にないし、周囲の人にも恵まれていると思う。でもなんか持て余している自我、、、というか、なんかヒリヒリしたいとか、自分と勝負したいとか思っているうちにハマってしまったランニング。
ウルトラの後半、本当にツラくなってくると一歩一歩に魂を込めるような感覚があります。
それがなんとも、自分の持て余している何かを燃焼させている感じや、弱い自分と勝負をしている感じがあり、毎年ウルトラを走るようになりました。
そんな自分の思いや、収容バスから見た風景を見て思ったこと。それは、
どんな状況でも、一歩前へ出れる人になりたい。
先を悲観する前に、一歩前へ行けるように。
そんなことを思うようになりました。
そういうことは胸にあるものの、長い本栖湖の周回、間に合うのか。と弱気になります。
景気よくエイドを飛び出したものの、体は相変わらず。
トボトボ歩いていると、後続のランナーに抜かれて行きます。
「ファイト」
「走れば関門に間に合う!あきらめるな!」
「最後までやりきろう!」
抜きざまに頂いたエールです。
返事はするものの、体がどうにもならない。
「こういう時、諦めるんじゃなくて足掻くんじゃなかったのか?」
そんな気持ちになったら走り出していました。
走らないと87km関門に間に合わないこともあって、必死こいて走りました。初めて見る身延町の看板も、千円札のビューポイントも最高でしたが、とにかく必死に本栖湖を眺めながら走り抜けました。
雨も降ってきましたが、気にせず進んで行きます。
「まだ、ゴールはここじゃない」
走って走って、、、最後少し歩いて、また走って、、、ボロボロですが87km関門に閉鎖8分前とかだったと思う・・・・なんとか到着しました!!
なるべく早く補給を済ませて、関門を飛び出しますが、また攣り攣り祭り。
本栖湖でがんばったツケも結構きています。
歩きながら、「あと一時間半で99.1kmの西湖公民館か・・・」なんとかなるかな。
ゆっくり走り出しますがすぐに内転筋が攣ってしまいます(;^_^A
歩いて回復を待つも、なかなか戻りません。
この時、「これじゃ赤池大橋の登りは無理だな」と一瞬思った瞬間、一気に体の他の所まで言うことを聞かなくなってきました。
今思えば、これがこの日の敗因でした。
気持ちが負けると、体も負けます。
今までの様々な大会で色々なウルトラランナーの姿を見たり、励ましをレース中受けて、受け取っていたウルトラランナーの矜持、ここでどう出るかが分かれ目だと思います。
極限状態で自分の在りたい姿でいられるか、どうか。
ここで走れる人がウルトラランナーなのでしょう。
そしてここで走れない僕は、まだまだです。
そんなで走ったり、止まったり、歩いたりを繰り返しながら、次の旧精進小学校エイド(90.7km)に着くのに大量の時間を吐きだし、15:38分に到着。
後40分で9km・・・・赤池大橋・・・・悔しいが、ここまでか・・・・
この日、朝の4時にスタートした時計を止め、バスに乗り込み、今日の僕のゴールは旧精進小学校となりました。
ゴール地点に戻り、あまりに気持ち悪かったり、脚がガタガタなのもあり奥さんの予想ゴール時刻まで時間があるので体育館内で仮眠を取りました。
仮眠後、少し回復。
霧が出て、雨も降る富士北麓公園に帰ってくるランナーを迎えつつ、奥さんを待ちます。
帰ってきました!
「暗いし、寒いし、雨だし、よく帰ってこれたわ~」と駆け抜けていきました(;^_^A
そんなで奥さんは無事ゴール!
いや、本当すげえわ。
僕も少しだけ、少しだけは強くなったけど、今まで教えてられてきたウルトラランナーの矜持を体現するにはまだまだ。
まだまだ道は、続きます。
結果こそ残念なものでしたが、楽しかったし、初本栖湖も味わえました♪
大会運営の方、ボランティアの方、応援の方、関わった全ての方々、、、ありがとうございました!!
そしてspecial thanks・・・・ということで本栖湖で僕に檄を飛ばしつつ抜いて行って下さったランナーさん・・・ありがとうございました!!おかげで復活して、長くレースを楽しめました!
2019年チャレンジ富士五湖 秋 最終話 「教えられたウルトラランナーの矜持」
おしまい。
三年前、野辺山ウルトラマラソンでリタイアしてバスで会場へ戻るバスの中から見た風景です。
その時、馬越峠入口でリタイアし、バスは滝見の湯へ戻っていくコースを走っていて、吐き気とか、レースを降りた悔しさに混ざるもう苦しい思いをしなくていいという安堵感、様々な感情が入り乱れる中、窓の外に見えたのは滝見の湯エイドを出て、馬越峠へ向かうランナーの姿でした。
思わず時計を見ました。
もう次の関門は厳しい時刻。
すべて走れれば間に合うでしょうが、ここから先をすべて走れる走力を持つランナーならば今この時間にここにはいないはず。
なんでそんな状況で、前へ進めるのか。
自分にはない強さを持つ、そのランナー達の姿に自分もああありたいと思うようになりました。
なんか、すべてのことに「なんだこの野郎!!」と足掻きまくっていた頃を経て社会人になり、色々あって良く言えば丸くなった、悪く言えば、諦めのいい大人、「まぁ、仕方ないよね」で何事も終わらせるような感じになっている感じ、、、別に仕事に不満も特にないし、周囲の人にも恵まれていると思う。でもなんか持て余している自我、、、というか、なんかヒリヒリしたいとか、自分と勝負したいとか思っているうちにハマってしまったランニング。
ウルトラの後半、本当にツラくなってくると一歩一歩に魂を込めるような感覚があります。
それがなんとも、自分の持て余している何かを燃焼させている感じや、弱い自分と勝負をしている感じがあり、毎年ウルトラを走るようになりました。
そんな自分の思いや、収容バスから見た風景を見て思ったこと。それは、
どんな状況でも、一歩前へ出れる人になりたい。
先を悲観する前に、一歩前へ行けるように。
そんなことを思うようになりました。
そういうことは胸にあるものの、長い本栖湖の周回、間に合うのか。と弱気になります。
景気よくエイドを飛び出したものの、体は相変わらず。
トボトボ歩いていると、後続のランナーに抜かれて行きます。
「ファイト」
「走れば関門に間に合う!あきらめるな!」
「最後までやりきろう!」
抜きざまに頂いたエールです。
返事はするものの、体がどうにもならない。
「こういう時、諦めるんじゃなくて足掻くんじゃなかったのか?」
そんな気持ちになったら走り出していました。
走らないと87km関門に間に合わないこともあって、必死こいて走りました。初めて見る身延町の看板も、千円札のビューポイントも最高でしたが、とにかく必死に本栖湖を眺めながら走り抜けました。
雨も降ってきましたが、気にせず進んで行きます。
「まだ、ゴールはここじゃない」
走って走って、、、最後少し歩いて、また走って、、、ボロボロですが87km関門に閉鎖8分前とかだったと思う・・・・なんとか到着しました!!
なるべく早く補給を済ませて、関門を飛び出しますが、また攣り攣り祭り。
本栖湖でがんばったツケも結構きています。
歩きながら、「あと一時間半で99.1kmの西湖公民館か・・・」なんとかなるかな。
ゆっくり走り出しますがすぐに内転筋が攣ってしまいます(;^_^A
歩いて回復を待つも、なかなか戻りません。
この時、「これじゃ赤池大橋の登りは無理だな」と一瞬思った瞬間、一気に体の他の所まで言うことを聞かなくなってきました。
今思えば、これがこの日の敗因でした。
気持ちが負けると、体も負けます。
今までの様々な大会で色々なウルトラランナーの姿を見たり、励ましをレース中受けて、受け取っていたウルトラランナーの矜持、ここでどう出るかが分かれ目だと思います。
極限状態で自分の在りたい姿でいられるか、どうか。
ここで走れる人がウルトラランナーなのでしょう。
そしてここで走れない僕は、まだまだです。
そんなで走ったり、止まったり、歩いたりを繰り返しながら、次の旧精進小学校エイド(90.7km)に着くのに大量の時間を吐きだし、15:38分に到着。
後40分で9km・・・・赤池大橋・・・・悔しいが、ここまでか・・・・
この日、朝の4時にスタートした時計を止め、バスに乗り込み、今日の僕のゴールは旧精進小学校となりました。
ゴール地点に戻り、あまりに気持ち悪かったり、脚がガタガタなのもあり奥さんの予想ゴール時刻まで時間があるので体育館内で仮眠を取りました。
仮眠後、少し回復。
霧が出て、雨も降る富士北麓公園に帰ってくるランナーを迎えつつ、奥さんを待ちます。
帰ってきました!
「暗いし、寒いし、雨だし、よく帰ってこれたわ~」と駆け抜けていきました(;^_^A
そんなで奥さんは無事ゴール!
いや、本当すげえわ。
僕も少しだけ、少しだけは強くなったけど、今まで教えてられてきたウルトラランナーの矜持を体現するにはまだまだ。
まだまだ道は、続きます。
結果こそ残念なものでしたが、楽しかったし、初本栖湖も味わえました♪
大会運営の方、ボランティアの方、応援の方、関わった全ての方々、、、ありがとうございました!!
そしてspecial thanks・・・・ということで本栖湖で僕に檄を飛ばしつつ抜いて行って下さったランナーさん・・・ありがとうございました!!おかげで復活して、長くレースを楽しめました!
2019年チャレンジ富士五湖 秋 最終話 「教えられたウルトラランナーの矜持」
おしまい。